2010年8月1日にPL花火の模様をUstreamとニコニコ生放送で配信した際の機材セッティングをまとめたので解説を含めて紹介していく。
技術的に濃い内容となっているので興味のある方向け。質問等はtwitterかこのblogのコメントでどうぞ。
-下記機材はネットブックとHDカメラを除き全て個人で所有のものです。またセッティング~操作を全て1人で行いました。-
○写真1枚目
正面の24ワイド画面に表示しているのがHD配信用のモニタ&キャプチャ画面。
画面左端にTweetDeckでTwitterのメインTLを表示しながら状況をチェック。
Ustream BroadcasterとFMLEの画面は配信時は不要なので最小化して隠してある。
MacBook Proではニコ生の配信画面を前面に表示しながら、FMLE、アクティビティモニタ、Ustream Broadcasterは背面に表示しておいて必要に応じてそれぞれの画面を確認。
ちゃぶ台真ん中のネットブックでは、画面左半分でNwhoisを使いニコ生のコメントを表示しながら、画面右半分でUstream標準画質配信画面のモニターを行う。
下に置いてあるLet’snoteではUstream HD配信画面を2ウィンドウ開き、動画は停止した状態でチャットとTwitterのソーシャルストリームをモニター。
○写真2枚目
左上のSony9インチモニターでDVカメラの映像(Ust標準画質&ニコ生用)をモニター。
自作PCの上に乗っている22ワイド画面では、Intensity ProのHDMIスルー出力を接続してHDカメラの映像をモニター。
○写真3枚目
画像がぶれていて申し訳ない。
左側がUst標準画質&ニコ生用DVカメラ、SONY DCR-PC350。
右側がHD画質用のPanasonic HDC-HS9。
窓越しに上半身だけを出してこれら二台のカメラを個別に調整、操作していた。振り向けば写真2のモニター画面が見えるようにしていたので、特にフォーカス調整時は細かくモニター画面を確認しながら操作していた。
写真には写ってないが、これらカメラのさらに左側にマイクスタンドを2本立てて集音用マイクをセッティングしていた。
○ブロック図
今回の主な機材の接続をまとめたのが上記のブロックダイアグラム図。図では省略してあるが、各PCは有線LANにてGigaHUBに接続してあり、さらに上位のルーター経由でインターネットへ接続していた。
○主なポイント(映像編)
HD配信について。HDC-HS9はフォーカスをマニュアルにして調整。途中まで「ローライト」をオンにしていたが色が変わっている印象があったので途中でオフにした。
カメラのHDMI出力は1080i固定なので、PeCaTV2で画面表示時に1280×720に縮小してさらにインターレース解除などの処理を同時に行っている。ということで厳密には720pでの配信では無い。現有マシンではこのサイズでの配信が限界だった。
配信ビットレートは2.5Mbpsに設定したがこの解像度だとこれでもビットレート不足で動きがあるとすぐにノイズが発生する。ただし、今回はほとんどカメラ固定で静止画に近い絵であったので、このビットレートでもかなりの高画質で配信できたと思う。VP6を選択したのはマシン負荷を抑えるため。
標準画質&ニコ生配信について。DCR-PC350もフォーカスをマニュアルにて調整。こちらの方がリングで操作できるので操作性は良い。映像に関しては「プログレッシブ」をオンにして30pで出力。プログレッシブをオンにしたことにより、低画質でありながら動きの良さとチラつきを抑えて花火の綺麗さを表現することができたと思う。古い機種ながら暗所性能の良さとプログレッシブ機能により十分配信でも使えることが分かった。
※配信時は30fpsで配信していると思っていたが、後日確認するとFMLEで24fpsに制限していた。記憶が定かでないが、おそらくマシン負荷を下げるために24fpsにしたものと思われる。
○主なポイント(音響編)
音に関して。配信の際にも言っていたのだが今回の最大の難関は音であり、打ち上げ場所より約1kmという近距離で花火の音をどう捉えるかというのが課題であった。花火であるので事前にテストできるはずもなく、本番一発で勝負しなければならない。
臨場感を伝えるためにステレオ音像にすることは必須。しかし手持ちのステレオマイクのみだと花火の爆発音に耐えられない可能性と前方指向性が弱いという点が予想できたので、今回は正面用とステレオ集音用の2つのマイクを用意してミキサーでミックスすることにした。
正面用に選択したマイクはSONY ECM-MS5。MS方式のマイク。これを0度セッティング(指向性を前面のみ)にした。EQはミキサーで80Hzローカットをオンにしたのみ。
ステレオ集音用にはZOOM H4nを使用。X-Y方式のステレオマイクを搭載したハンディーフィールドレコーダーだが今回はマイク部のみを使用した。こちらはマイクカプセルを120度にセッティングし、より広がりのある空間を表現できるようにした。他にH4n本体でLimitterとローカットをオンにした。
本番の花火が上がると当初予想よりも音が大きかったが、ミキサー側のGAINを下げることにより入力歪みを回避できた。さらに2マイク構成にしたことが功を奏して、前方の打ち上げ音をしっかりと拾いつつ、ステレオ音像による空間の音の広がり、特に周辺の観客の歓声などが入ることによってより臨場感のある雰囲気が伝えることができた。
本番では常にヘッドフォンで音をモニターしていた。後にアーカイブの音を聴いたがエンコーダで大幅にロスすることなく現場でモニターしていた音と遜色無いことが分かり、こちらの意図した音が配信できていたことが分かり安心した。
※ニコ生のコメントで音を上げて欲しいというコメがあったが、音量のピークが読めないので少し下げ目にしていた。ミキサーのメータでは-10dB~-14dB程度には触れていたので十分だったはず。ちなみにラストのスターマインでは-6dBを超えていた。
○HD配信セッティングパラメータ
・カメラ:Panasonic HDC-HS9
出力:HDMI
設定:1080i(1920×1080)
・キャプチャデバイス:Intensity Pro(Driver v3.3.2)
・自作PC:
OS:WindowsXP SP3
CPU:Q6600(2.7GHzへOC)
マザーボード:P5K-E
RAM:4GB
・PeCaTV2 ver.0.0.5
映像サイズ:1280×720
デインターレース:ブレンド
YC伸張:YUY2バイト配列
ビデオレンダラ:Enhanced Video Renderer
実行優先度:リアルタイム
・SCFH DSF ver.0.4.1
・FMLE ver.3.1.0.8703
Video
Device:SCFH DSF
Format:VP6(Quality:Best、Datarate Window Huqe)
Frame Rate:29.97 fps
Input Size:1280×720
Bit Rate:2500 Kbps
Output Size:1280×720
Audio
Device:Yamaha Steinberg FW WDM Audio
Format:Mp3
Channels:Stereo
Sample Rate:44100 Hz
Bit Rate:128 Kbps
○Ust標準 & ニコ生配信セッティングパラメータ
・カメラ:SONY DCR-PC350
出力:NTSC(Composite)
設定:30p(720×480)
・キャプチャデバイス:DVX-BAY(5インチベイ内蔵用のを外部電源を付けて使用)
・MacBook Pro:MC374J/A(2.4GHz、4GB)
・FMLE ver.3.1.0.8703
Video
Format:H.264(Profile Baseline、Level 3.0)←UstreamでiPhoneから視聴できる設定
Frame Rate:24 fps
Input Size:480×360
Bit Rate:350 Kbps
Output Size:480×360
Audio
Device:First 2 channels
Format:AAC
Channels:Stereo
Sample Rate:44100 Hz
Bit Rate:96 Kbps
○音響セッティングパラメータ
・デジタルミキサー&オーディオインターフェイス:YAMAHA n12
・集音マイク1(正面用):SONY ECM-MS5(0度セッティング)
・集音マイク2(ステレオ音像用):ZOOM H4n(120度セッティング)
・トーク用マイク:Shure SM58
・BGM再生機:Apple iPhone3G
・使用曲
BGM:Freeplay Musicより複数曲
エンディング曲:向谷倶楽部 「Twilight Stream
○Ustream標準画質のアーカイブ
ニコニコ生放送タイムシフト録画動画(コメント付き)